「し」の歯科用語
歯科技工士
歯科技工士さんは診療室にはいないので知らない方がほとんどだと思いますが、被せものであるクラウンブリッジやサシバやインプラントの上部構造を作ることを仕事としています。
私どもの診療室の歯科衛生士さんは技工操作を見たことがないということなので、いつも患者さんの補綴物を製作して戴いている足立区にあるアイリスデンタルラボの矢嶋 貞雄さんを訪問しました。

実際にワックスアップ(ワックスで歯の形を彫刻する)してもらいました。

大きな建築を作ることは困難で労力とお金も必要ですが、このように小さなものをミクロンレベルの誤差で製作することもものすごい技術が必要です。
しかしながら今、歯科技工士さんが立ち去っています。
学校を卒業したての技工士さんの離職率は8割だそうです。信じられないかも知れませんが低賃金と長時間労働によるものです。
歯科技工士が立ち去ったあとに
矢嶋さんは藤本研修会の補綴コース出身で研修会で製作したブリッジを見せてもらいました。

金を鋳造して20ミクロン以内の誤差で仕上げることを要求されます。
このようなことは通常不可能な仕事ですが私たちはルーティーンにこなしています。
理由は、クラウンブリッジを製作する材料は色々ありますが、歯の模型を作る石膏は膨張します。
歯の型を取る印象材のゴムは収縮します。金・金属も硬化する時に収縮します。
このように、誤差が重なると患者さんの歯に合わないクラウンが出来あがります。
クラウンは自動販売機にコインを入れると出てくるようなものではないのでこんなことを良くご理解下さい。
歯髄診断器
歯 髄(歯の中にある神経・血管)に電気式歯髄診断器を用いて弱い電流を歯に電気的刺激を与えて、歯髄神経を刺激して誘発させた痛みあるいは違和感の有無に よって、歯髄の生死を判定する診査法である。この電気刺激によって反応する歯髄神経はAδ線維であり、C繊維は反応しないといわれている。歯髄電気診の利 点は診断精度が高く、歯髄に損傷を与えないことである。
消毒
消毒(しょうどく、disinfection)とは、広義では人体に有害な物質を除去または無害化することであり、広義の消毒には有害装置の中和(無毒化)なども含まれる。
狭義では病原微生物を殺すこと(殺菌など)、または病原微生物の能力を減退させ病原性をなくすことである。無菌にすることではない。
類似する概念として滅菌や殺菌があるが意味が異なる。
滅菌(sterilization):病原性の有無を問わずすべての菌(細菌だけでなく、ウイルスやプリオンを含めたすべての生命体)を死滅させるか、除去することである(従って滅菌は器具に対して行うものであり、人体或いは患畜に対して行うことは出来ない)。病原性をなくすレベルの達成を目的とした消毒とは異なる。
殺菌(bacteriocision):菌を殺すことである。消毒の手段として殺菌が行われることがあるが殺菌はせずに病原性をなくすことによって消毒が達成される場合もあるので、意味合いが異なる。