感染症対策

本当に怖い歯科院内感染

アメリカではエイズが歯科の治療により感染したことをご存知ですか?この事件はキンバリー事件といって同性愛者の歯科医師から患者さんにエイズが感染したという本当に怖い事件です。

歯科治療では歯を削ったり歯ぐきに器具を差し込んだりした時に出血を伴います。
当然、使用器具に血液が付着しますので 仮にその患者がウイルス保菌者であった場合、その使用器具に付着した血液からウイルスが感染し、B型肝炎、C型肝炎、エイズなどの病気が発症します。

感染する主なウイルス

B型肝炎(HBV)

歯科医療においては当然、歯科器具の滅菌が行われていますが、治療器具の内部まで滅菌処理を行う必要があります。121℃以上の熱で数分滅菌を行わないと肝炎のウィルスは死滅しないと言われています。

使用器具をアルコール消毒してもウィルスは死滅しない為、歯科機器内部の滅菌処理を行っていないと歯科治療がB型肝炎の感染経路となっている事もあります。

C型肝炎(HCV)

歯科で考えられる感染経路は、C型肝炎ウィルスをもっている人の血液が別の患者に十分な滅菌処理がされないまま治療器具を使う事で体内に入ると感染します。

C型肝炎ウイルスに感染することにより、肝臓が炎症をおこします。ほとんどの場合慢性肝炎になり、放っておくとさらに進行して肝硬変を経て高い確率で肝臓ガンになります。

エイズ(HIV)

エイズは血液感染で起こります。

しかし、エイズウイルスは熱に弱く感染力は強くないと言われています。歯科での滅菌などの処理でウイルスは死滅すると考えられます。

切削器具の使い回し

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2014/05/18 読売新聞より
歯を削る器械を滅菌せずに使い回している医療機関が約7割に上る可能性があることが、国立感染症研究所などの研究班の調査でわかった。

患者がウィルスや細菌に感染する恐れがあり、研究班は患者ごとに清潔な機器と交換するよう呼びかけている。
調査対象は、歯を削るドリルを取り付けた柄の部分、歯には直接触れないは、治療の際には口に入れるため、唾液や血液が付着しやすい。

標準的な院内感染対策を示した日本歯科医学会の指針は、使用後は高温で滅菌した機器と交換するよう定めている。
調査は特定の県の医療機関3125施設に対して実施した。2014年1月までに891施設(28%)から回答を得た。
滅菌した機器と交換しているか聞いたところ「患者ごとに必ず交換」との回答は34%だった。一方「交換していない」は17%、「時々交換」は35で、計66%で適切に交換しておらず、指針を逸脱していた。別の県でも同じ調査を07〜13に4回行い、使い回しの割合は平均71%だった。(読売新聞記事より抜粋)

歯を削る機器をコントラと言いますがこれらを注油・洗浄し滅菌するには多くの時間と費用がかかります。費用がかかるから保険では赤字になるからやらないと言うのでしょうか?
予防接種の注射針の使い回しがB型肝炎を引き起こした事例が発生した状況と同様に、歯科医院で感染が起こる可能性があるということです。

患者さんは、どの歯科医院でも当然、治療器具は滅菌消毒されていると思っているようですが、この当たり前のことがとても難しく行われていないということです。

実際、私たちの医院では歯科医師が7人程度、歯科衛生士が7人程度の患者様を1日に拝見しておりますが、小器具、歯を削るコントラ類を滅菌し世界標準の歯科医療を実践しようとすると、これ以上の患者様を診療出来ません。

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平成20年の調査では半数以上の歯科医院でハンドピースをアルコールで拭くだけでした。このことはとても恐ろしいことなのです。歯の切削器具は非常に高速で回転しているので止めたい時に急には止まりません。
そのため陰圧をかけて器具を急速に止めます。その時に患者さんの唾液や血液を切削器具のホースの中に吸引してしまいます。アルコールで拭き取るだけで、次の患者さんに使用すると、切削器具に残っていた前の患者さんの血液や唾液を次の患者さんにばらまいてしまうことになります。

そのため、B型肝炎ウィルスなどの感染力の強いものは高い確率で感染する可能性があります。
外科手術で使ったメスをただアルコールで拭き取っただけで次の患者さんに使用する外科医はいません。胃カメラなども滅菌消毒が困難で滅菌時間も60分もかかり1日に多くの胃カメラを撮影するのに何台も胃カメラを用意しなければならないため多額な設備投資が必要になります。

日本の保険中心の歯科医療では完全な滅菌、感染症対策は不可能と言っても過言ではありません。そこにはスタッフが費やす多くの時間と高価な滅菌機器が必要です。

  • また、歯科用ハンドピースを滅菌するには多くの問題点があります。
  • ・唾液・血液が付着するので滅菌が必要不可欠
  • ・中空で狭窄部およびデッドエンドがある構造
  • ・超精密器械
  • ・加熱することで故障が頻発する
  • ・故障すると大きな修理コストがかかる

私たちが行っている歯を削る器械、コントラ類の滅菌

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私たちが行っている歯を削る器械の滅菌についてお話いたします。向かって右のクアトロケアは、歯を削る道具を自動洗浄し、オイルを注油する器械です。
いくら滅菌、消毒しても、歯を削るコントラ類に血液が残っていたらといけないので、まずは歯を削る器械であるタービン、コントラ類の中を洗浄する事が大切です。

左の器械はステリマスターです。クアトロケアで洗浄オイル注入された、タービン、コントラ類や小器具は、次に高圧蒸気滅菌器であるKaVo社(ドイツ)のステリマスターにより135度5分で滅菌されます。

患者様の意識・現場スタッフの意識

昨今の患者様の衛生意識は高く、小さな疑問がその歯科医院の信頼を損ねる結果にもなります。

また、何よりそこで働く歯科衛生士などスタッフが一番知るわけです。

歯科医療に携わる誇りは基本的なことができていないと続かないと思います。不潔な環境で交差感染が起こるような医院の環境では、歯科衛生士、歯科助手も誇りをもって仕事をすることができないと思うし、そんな危険な職場で働きたくないでしょう。

ビデオをご覧下さい。

ヨーロッパ基準の滅菌器を導入

何事も目に見えないところが非常に重要です。うわべだけ取り繕っても本質は目に見えないところにあります。歯科医師の治療に関しては患者さんには見えない歯の中の根管治療を如何に手を抜かずにできるのか。歯を形成し型を採る時に妥協せずに出来るまでやり通せるのか。
神様が見ていないところでどれだけ正直かということが大切です。

院内感染症対策と医院の実力は比例すると言われています。患者さんの目に見えないところに細心の注意を払い高いレベルの治療をすることは医院の感染症対策を見れば解ります。
私たちが導入したのは日本ではまだ普及していない日本の基準より遥かに厳しいヨーロッパ基準のクラスBの滅菌器です。

クラスBオートクレーブとは、ヨーロッパの基準EN13060に準じたオートクレーブのことを表します。このEN13060とは「あらゆる種類の滅菌物(固形、包装、多孔性、中空のあるもの)を完全に滅菌できる」ということを意味しており、このEN13060に準じているものはクラスBオートクレーブとされています。

オートクレーブは一般の歯科外来診療所では今や必須の滅菌器ですが、滅菌可能な対象物によってその能力に違いがあることについては、ほとんど知られていません。クラス分けされたヨーロッパの基準については下記の表をご覧下さい。

オペ室と同様の空気を作る空気清浄装置を天井に設置

天井に設置されているのは空気清浄装置エアロシステム35M-DSです。

 

毎分35m3の空気清浄能力を持つ、本格的な業務用空気清浄装置。市販の置き型空気清浄機の7~10倍の空気清浄能力があり、みるみるうちに空気清浄します。

 

高性能脱臭フィルターで院内にこもる臭いも吸収。

 

2段式電気集塵方式で98%以上の集塵効果

 

0.01ミクロンの汚染物質もキャッチ

 

外科のオペルームのクリーンな環境となっております。

 

コロナウィルスも吸引できる装置です。


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