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シリーズで連載されている「やってはいけない歯科治療第11弾」が数日前に発刊されました。

事実を忠実に書いている記事でうそや誇張はありませんので皆様も是非読んで戴きたいと思います。

私も取材されましたのでいつも患者さまにはお伝えしていることをジャーナリストの岩澤氏に話しています。

 

「保険で治療した銀歯が二次カリエス(治療箇所の虫歯再発)を引き起こして、ひどい状態になっている患者が多いです。治療費が安い保険診療という選択が、歯を失う結果に繋がっていることに気がついてほしい」(私の言葉)

 

それから記事の中でこのようなことが記載されています。

 

これを読むと日本の保険診療の治療費が何故、欧米の10分の1なのかを理解することが出来ます。

以下、週刊ポストの記事をコピペします。

 

保険の診療報酬が治療の実態に合わないほどに低いと多くの歯科医が主張している。

だがこうなった経緯を知ると考えが変わるかもしれない。

日本の国民皆保険制度は1961年にスタートした。

これに先だって、旧厚生省は歯科医療に『差額徴収』という仕組みを認めた。

例えば、ゴールドクラウンを8万円の自費診療として行う場合、国には保険で認めている銀歯の価格1万円を請求できる。そして、患者には残り7万円を徴収するというものだ。

 

 

これで国は診療報酬を低く設定して、医療費抑制を果たせる。一方の日本歯科医師会側は、自費診療に患者を誘導できるので収益は確保できる。両者の思惑一致して、奇妙なシステムが生まれた。

 

 

だが、これを悪用する歯科医師が続出した。

「二重徴収が横行しました。国に保険分を請求しておきながら全額を患者から徴収したり、保険治療なのに、倍の費用を患者から徴収する歯科医もいました。これが新聞報道されて、国民の怒りを買いました」

 

全国保険医団体連合会(保団連)・宇佐美宏副会長(歯科医)はそう述懐する。

そして差額徴収は1976に廃止され、歯科の診療報酬は低いまま据え置かれたのだ。

 

 

医療経済学者の川淵孝一教授(東京医科歯科大学)は、OECD(経済協力開発機構)加盟諸国の実態を調査した。

「根管治療の『抜髄』費用を比較してみると、日本の5800円に対して、フランス4万円、イギリス9万円、アメリカは10万円超となっている。欧米の歯科治療は大半が自費なのでこれだけ差がでる。

 

40年前におこった差額徴収のトラブルが今でも影響していることは驚きです。

その間、歯科医師は対策を講じて来なかったことが今の混乱を招いています。

 

 

吉川英樹 拝