患者さまには許可を頂いてレントゲンを掲載しています。

 

詰めものがいい加減だとご自身の歯との間に隙間が出来て、その部分から歯の中に細菌が侵入して行きます。

歯の中に侵入した細菌は根管に沿って根の先の方向に侵入して根の先に到達します。

そこに到達して細菌は根の先、つまり骨の方向に毒素をだし、その結果、炎症反応が起こり白血球の死骸である膿が根の先にたまります。

 

こちらの患者様も、過去に詰めものをしたにもかかわらず、根の先に違和感を感じ私たちの医院に来院下さいました。

 

歯の根の先に膿が溜まっていましたが、適切な根管治療により3ヶ月後には骨が再生しています。

 

私たち歯科医師の仕事で重要なことは体の中に細菌を侵入させないということに尽きると思います。

こちらのケースでも歯科医師の詰めものの精度が悪いために患者様の体の中に細菌を侵入させてしまいました。

 

傷を負い、傷口が大きいと外科医は縫合をして傷を縫い合わせます。

その理由は傷口から体の中に細菌が侵入するのを恐れるからです。

上皮が増殖して傷口が塞がれば体の中には細菌は侵入出来ません。

 

私たち歯科医師が行う詰めもの・被せものなどの修復物はこれと同じことです。

隙間があればそこから細菌が侵入して体の中に炎症を起こします。

 

だから、精度の高い被せ物、詰めもが必要になるという理屈です。

精度の高い補綴物は生体が上皮を作って体の内部を保護するのと同じことです。

 

別の角度からCTを観察して見ます。

 

歯の中、根管の中をきれいに洗浄、消毒、拡大、形成して傷口をぴったりと封鎖することにより骨が再生しているのが解ります。

 

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日本歯周病学会歯周病専門医 吉川 英樹 拝