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自由診療・保険診療

日本の医療は、どなたでも平等に経済的に心配なく医療を受けることができる医療保険制度、国民皆保険に特徴があります。
昭和35年に創設されました。
先進国の中では歯科の治療は医療保険に組み込まれていない国が多く恵まれているといえる。
保険証を持っていれば日本中どこでも規格化された医療が受けられる世界に冠たる「国民皆保険制度」です。
昭和30年から40年台にかけて日本は経済成長も著しく自動車、カラーテレビ、洗濯機も普及し昭和39年には東京オリンピックが開催されました。

人々は豊かになり経済も右肩上がりに上昇をし続けた夢のある時代でした。
また、食生活も豊かになった為かこの時代は虫歯の発生が著しく歯科医師が不足した時代でもありました。
歯科医院の前で行列ができて順番を待っている光景を目にしたものでした。
日本だけではなくこのような現象は世界的な傾向で、北欧でも「虫歯の洪水」が起こっていました。

この問題を解決するのに2つの大きな分岐点がありました。
北欧では病気にならない方法、虫歯にならない方法を模索することを選び、予防歯科医学が発達し病気の原因をさぐり虫歯にならない方向に進んで行きました。

一方日本ではこのころ新設の歯科大学、歯学部が創立され歯科医師を作って虫歯の後始末をするような方向に進んで行きました。
皆保険では「削って、詰めて、被せて、請求する」ということが起こりやすく、その結果、日本人の20歳の人の虫歯経験は9.2本であり、20歳のスウェーデン人の虫歯経験は4本以下になり、大きな差がついてしまいました。

また、1本も虫歯のない人の割合は日本人の場合25人に1人ですが、スウェーデン人の場合5人に1人です。
又、80歳の日本人は8本しかご自身の歯が残っていません。
日本人の口、歯は皆保険制度の下どんどん削られ、詰められ、失われて行く構造が浮かんできます。

歯科医療再生のストラテジー、川渕孝一著にこのようなことが書かれています。
日本の歯科の余りにも安い歯科治療費国際的に見てわが国の歯科医療費は高いのでしょうか。
いいえ、一つ一つの医療行為はかなり安いです。

ここにOECDヘルスデータという非常に便利な資料があります。
2004年発表のデータです。
しかし、国によっては非常に古いデータしか手に入りませんが、これが唯一国際的なマクロデータです。
その中で国民一人あたりの歯科医療費は日本は5位で183USドルです。
実はOECDに参加しているのが、全部で30カ国ありますが、歯科の場合21カ国しかありません。
21カ国で5位ということです。
対国民医療費で見てみると、日本の医療費6.48%でこれは9位です。
対GDP比だと歯科医療費は0.49%、これは11位。
それから、人口1000人あたりの歯科医師数は 0.7でこれは7位です。
そして、年間の受診回数は3.2回でこれは2位です。
他方マクロ的に歯科の質を評価するときに良く使う12歳児のDMFTがあります。
この指標を見ますと、日本は2.4本。
3本を切ったということで注目されましたが、国際的には何と17位で必ずしも良好ではありません。

一人当たりの受診回数は非常に高位にあるにもかかわらず。
質はそれほど高くないことがわかります。
日本の診療単価はすごく低いので数量で調整しているのではないかと思います。
日本人が海外で治療を受けると、その国の料金表に従って全額を支払って、日本で償還払い(海外療養費)を受けるという制度があります。
より具体的には、その国の領収書と治療内容をみて、日本の点数表に準用して支払うことになります。
歯科治療費を日本の点数で準用した場合と、その国で支払った金額を比較すると次のようになりました。

例えば、根管治療では、イギリスは9万2220円。
それからフランスが4万4000円、ドイツは1万4000円、スイスは3万6000円そしてアメリカは10万8000円、カナダは5万2000円です。
これを日本の保険点数表で計算すると、なんと5839円です。
アメリカの18分の1という驚くべき安さです。
欧米諸国と比べると、歯科のそれぞれの診療報酬は保険診療の場合約10分の1位です。
この保険点数のために薄利多売の傾向になり歯が失われているようだ。
何回も再治療されそのたびに歯が失われて行く。

一方自由診療とは、保険の制約をうけることがなく、自由に行うことができる診療を表している。
日本だけではなく世界から最新の情報を入手しその時代に最高、最善と思われる歯科医療を患者様に提供することであります。
患者さまからこのような意見を聞いたことがあります。
「自由診療はただ高いもので、保険診療は安いもの」「ただこれだけのことと思っていました。
診療をうけてみて違いがよくわかりました」と、医療はその時代の最高で最善なことを行うべきです。

医療はその時代において最善のことが反映されなければならない。
良質な医療は「適切な人」が「適切な方法」で「適切な時」に行う医療であり、最善の医療が行われることである。
生体安定性の高い安全で安心の医療を行おうとすれば、保険の範囲を超えることがある。
歯科医療の特徴として、自然治癒を導く治療法が少ないので、種々の生体材料を体の一部として用いることが大半である。
そのため、治療時間が多くかかり、材料費、技工料などがかかり、これが一般の医療と異なるところであり、歯科医療費のかかる原因である。
読売新聞2005年9月27日医療ルネサンスNo3702虫歯治療の今記事を添付します。

虫歯が進んでしまうと、金属などのクラウンをかぶせたり、抜いた場合は両側の歯で支えるブリッジをつけたりする治療が必要になる。
その時、「歯は大事だから、ちゃんとしたものを」と健康保険ではなく、自費の治療を選ぶ人も多い。
例えばクラウン。

健康保険なら、初診料などを除いた一本あたりの治療費は、4000円~8000円(3割の自己負担分)だが、自費診療になると、大体8万~20万円に跳ね上がる。
この差は、金属、レジン、セラミックなど材料にもよるが、それだけではない。
東京・神田の黒田歯科医院の黒田昌彦さん(63)は「治療にかける手間が違うので、品質に差がでる」と言う。
前歯のクラウン(差し歯)一本を入れる場合、同歯科での自費診療の内容は以下の通り(カッコ内は保険診療)

  • 診療時間 1時間×3、4回 保険診療の場合(20×2回)
  • 歯の型取り シリコンゴム系の材料で精密に取る 保険診療の場合(寒天が原料の安価な材料)
  • 歯科技工士のクラウン作り 顕微鏡を見ながら8時間かかり 保険診療の場合 (肉眼で2時間)
  • かみ合わせの調整 カチカチとかみ合わせのチェックに使う紙は12か15ミクロンの極薄で、ルーペで確認する。

保険診療の場合(30ミクロン以上なので肉眼で見る)黒田さんは「歯とクラウンの接着部分で起こる虫歯や歯肉炎が心配なので、ピタリと合わせるのが重要」と言う。
精密に作り、かみ合わせを細かく調整しながら入れる自費の治療は、職人として最善の技術で作り上げたものだろう。
その水準と比べると、保険の治療は「手抜き」と口にする歯科医もいる。

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