出版のお知らせ
あなたの歯が治らない
本当の理由
30年間にわたる世界的研究
スウェーデン・リンデ教授と
アクセルソン教授の
「プラークコントロール研究」
スウェーデンのイエテボリ大学において、リンデ教授(Jan Lindhe)とアクセルソン教授(Per Axelsson)が中心となって行った「The Long-Term Effect of a Plaque Control Program in the Maintenance of Oral Health」は、歯科医療史に残る画期的な研究です。
この研究は、30年間という極めて長期にわたって、定期的なメインテナンスとプラークコントロールを継続した人々の口腔の健康状態を追跡したものです。
研究の概要
1970年代初頭、スウェーデンのヴェネルスボリという町で、当時30〜40代の成人を対象に、歯科衛生士による徹底したプラークコントロール(歯垢除去指導)と、歯科医師による定期的なチェック・クリーニングを組み合わせたプログラムが始まりました。
参加者は数十年にわたり、3〜6か月ごとに専門家によるメインテナンスを受け続け、その結果を科学的に分析しました。
驚くべき結果
30年後の追跡調査では、次のような結果が示されました。
• 歯の喪失はほとんどゼロに近い
通常、成人では加齢とともに歯を失うことが一般的ですが、この研究群では平均1〜2本程度しか失っていませんでした。
• 虫歯や歯周病の新たな発症がほとんどない
プラークをコントロールすることで、歯周炎だけでなく、虫歯の発生もほぼ防ぐことができました。
• 口臭や歯肉の出血もほとんど見られなかった
健康な歯肉と安定した咬合が長期に維持されていました。
研究が示すもの
この研究が伝えているのは、「歯を守るために最も重要なのは、日々のプラークコントロールと定期的なメインテナンスである」という明確な事実です。
治療技術の進歩や高価な材料よりも、「予防」こそが最大の成果をもたらすということを科学的に示した点で、世界中の歯科医療関係者に衝撃を与えました。
現代への応用
このスウェーデン方式は「アクセルソン・リンデモデル」として世界に広まり、現在の欧米の予防歯科の原型となっています。
当院でもこの理念を忠実に実践し、歯科衛生士が担当制で患者さん一人ひとりの口腔環境を長期的に守るシステムを導入しています。治療よりも「守る」ことを重視し、30年先も自分の歯で食事ができる人生を目指しています。
私は30年以上前、世界の歯周病治療を基礎を築いたヤン・リンデ先生の研修を受ける機会を得ました。
その時にリンデ教授から「歯を守るためには、徹底したプラークコントロールが欠かせない」ということを情熱をもって教わりました。
教授の患者さんに対する深い愛情と科学的な姿勢は今も私の心に強く刻まれています。
以来、私はその教えをこの診療室で30年以上にわたり実践してきました。
その結果、当医院ではこの研究論文に示されているように、患者さんの歯が抜かれることはほとんどなく新しい虫歯や歯周病の発生もほとんどありません。
一人ひとりの歯を、生涯にわたって健康に保つことができるよう、これからも努力を続けてまいります
📘 発売:幻冬舎ルネッサンス
(2025年8月29日)
📍 全国主要書店・Amazon・楽天ブックスにて好評発売中

⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
吉川歯科医院 院長 吉川 英樹

