お知らせ

2018.11.03

根管治療後の土台(コア)を入れる治療とは

11月になりすっかり秋らしい気候になりました。もう少しで紅葉も見頃になりますので楽しみですね。

さて、先日患者さんから「土台を入れるとはどういうことですか?」と質問を頂きました。

そうです。わからないことはどんどん質問して下さい。

コア・土台の入れ方の良否でその後の歯の余命を決定すると言っても良い位です。

コア・土台の治療とはどんな治療?

根管治療が終わった歯は根管の入り口まで歯の内部が削られ空洞になっているのでその部分を補うための治療です。

コアの材料

セメント、金属、コンポジットレジン(複合樹脂)の3種類あります。

コア治療の方法

直接患者さんのお口の中で製作する直接法と型取りをして技工士が作成する間接法に分類されます。

欧米の歯内療法専門医は主に直接法でコアを入れます。

一方、日本の一般的な歯科治療では間接法メタルコア・金属のコアを使うことが多いです。

私は直接法でコンポジットレジンコアを使っていて間接法は行いません。

なぜならば、型取りをしている時に唾液が入り感染するリスクがあり、そして技工士がメタルコアを作成している間に封鎖があまいと歯の中に細菌が侵入してしまうからです。

コア治療の前準備

上の写真は根管治療が終わり、これから修復処置を行う予定の歯です。

根管治療のために大きく穴が開いているのでこの部分を詰めるだけでは歯質の薄い部分があり将来割れる可能性があり歯を補強してクラウンを被せる必要があります。

赤く印記されている部分は下の歯と咬合接触している部分です。

上の写真で白いセメントが仮に詰められていますがこれをコンポジットレジン(樹脂)に置き換えるのが土台(コア)を入れる治療です。

先ず、超音波の器具とEr:Yag Laser・エルビウムヤグレーザーを使いこのセメントを完全に除去する必要があります。

下の動画はこれらの器具を使用して接着の前準備をしているところです。

歯の内部の歯質は切削片などのが象牙細管に入りこみ、接着の技法、ダイレクトボンディングが阻害される可能性がありEr:Yagレーザーの水の爆発・ウオーターマイクロエクスプロージョン(20ナノメーターの水の爆発)により歯質である象牙細管がキレイに洗浄されます。

象牙質がキレイに洗浄されると接着が有効に働きます。そうでないとかなり危ないということになります。

コンポジットレジンコアの実際

下のビデオでコンポジッットレジンとファイバーポストを使用している動画をご覧ください。

コンポジットレジンコアとファイバーポストでコアを作った後の写真です。

このように、土台を入れる治療・コアの治療は根管治療やクラウンと同様に非常に重要です。

吉川 英樹 拝

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