最近、私たちの医院では抜歯してインプラントを勧められたという多くの患者様から多くの問い合わせをいただいています。

 

インプラントと天然歯のとの違いは、感覚センサーである歯根膜の存在です。

 

何か食物を咬んだ時に歯根膜にあるセンサーがその情報を神経を介し脳へ伝えます。

 

脳で、咬んだ物の情報を判断して運動神経を介して、強く咬もうとか弱く咬もうとか筋肉をコントロールして咀嚼が行われます。

 

歯根膜のおかげで、極端に固いものがお口の中に入っても、センサーがこれ以上咬んではいけませんよと指令を出してくれるので、歯そのものや歯の被せもの(クラウンやブリッジ)を守ってくれますが、インプラントではそのセンサーが存在しないので力のコントロールがどのようなメカニズムで作用しているのか不明です。

 

また、歯は歯根膜や骨や歯肉からの血液循環が受けられますが、インプラントは骨と歯肉からの血液循環しか得られないため感染に対して不利なります。だからこそ神様が与えてくださったこのすばらしい歯を粗末にするのではなく、大切に扱って頂きたいのです。

 

 

こちらの患者様は前医から歯が割れているかも知れないと抜歯を勧められましたが、根管治療により3ヶ月後治癒傾向を認めました。

 

正しく行われる根管治療の威力は素晴らしい。

 

しかしながらこのような結果になるのは、マイクロスコープ・CTなどの器械設備、術者の技量と長時間の治療時間が必要です。

ラバーダムも必要です。そのため保険診療では歯科医院が赤字になり無理です。

 

こちらの患者様の症例も根管治療3時間、クラウン4時間の治療時間を予測しています。

 

今後は益々膿の部分が小さくなり、骨が再生すると思います。

 

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咬み心地

 

日本歯周病学会歯周病専門医 吉川英樹 拝