今年も約2週間余りになりました。

皆様慌ただしくお過ごしと思います。

 

私は来年の4月で歯科医師としての臨床歴まる40年になる予定です。

特にその間大きな医療事故もなく神様に感謝です。また、私を信頼して通院してくださる方には感謝の気持ちで一杯です。

今でも、歯科医としての勉強は限りなく臨床医として間違えた治療行為だけはしたくないと思っています。

 

ここ10年以上になりますが患者さんにマイクロスコープで録画した治療中の動画をお見せして説明を必ずしています。

 

患者さんの反応は色々ですが大方の患者さんは「こんなの初めて見た」と言って下さり好意的なご意見を聞かせてもらっています。「すごいですねー」「びっくりした」という反応と反対に「急いでいます」「あと何回かかるのですか?」等、否定的な意見もたまに聞かれます。人の感じ方は千差万別ですね。もし、このような画像・動画の説明がなかったら歯科治療の価値を患者さんにどのように伝えれば良いのででしょうか?言葉をいくら重ねても何をされているのか解らないしそのような訳のわからない治療に対して価値など見出せないということが普通です。通常、歯科治療の価値を患者さんに伝えられないために制限医療である保険治療がくりかえされ結局は歯を失ってしまいます。マイクロスコープでプレゼンテーションすることにより歯科に対する価値観を患者さんと共有出来るようになりました。

 

さらに3年前からCTを導入してマイクロスコープとCTを使った根管治療を臨床応用しています。

すると歯内療法・根管治療の革命が起こりました。9割以上の成功率が起こったのです。(通常、日本の保険診療での根管治療の成功率は3割〜5割と言われています)

 

そして、マイクロスコープとCTを使用して患者さんにプレゼンすることにより歯科治療の限界も患者さんに理解してもらうことも出来ます。歯科治療は100%成功するのではないのです。このようなことさえ一般的には理解されていません。

 

さて、症例を提示致します。こちらの患者さんは過去に装着されたクラウンが脱落して御来院くださいました。

 

CTにより根の周りに膿を認めました。

 

膿の原因は過去の根管治療の失敗です。制限医療である保険治療は限界に来ています。

 

患者さんは自由診療での根管治療を選択されました。

私も約4時間マイクロスコープを使用して根管治療にあたりました。

クラウン修復も4時間ほど合計8時間の時間を費やしました。

 

テクノロジーの進歩によりこのような時代に歯科医師として生きられることは本当に幸せなことです。

 

 

吉川英樹 拝