興味深い記事(US NEWS 2015)を見つけました。アメリカ人のなりたい職業のナンバーワンは歯科医師

 

北米では歯科医師の地位は高く、皆に尊敬されサラリーも高いことがわかります。

 

翻って、日本では「歯科大学・歯学部の定員割れ」「歯科医師のワーキングプア」「国家試験浪人」というニュースも話題になっています。私は歯科医師になって相当の年数が経過しましたが誰一人として「歯科医師になりたいのだけど相談に乗ってくれませんか」という人にお会いしたことはありませんし暗いニュースばかりが目立つ歯科界ですが、何故このように停滞しているのでしょうか。

 

国家が介入しすぎではないかと個人的には思っています。歯科医師の仕事は恐ろしく細かい作業なのでそこに出来、不出来ということが現れやすいのです。0.1mmずれたら、致命的に失敗なのです。しかしながら、国が介入している保険制度ではどんなにずれようが出来高払いと言って多くの治療行為を行えば行うほど診療報酬が支払われるのです。おかしいと思いませんか、どんなに良い治療をしようがどんなに下手くそな治療をしようが同じ報酬で自分の価値を国家が決めるのです。これは医療の世界以外には考えられないのです。自分で自分の価値を決められずに国家が金太郎飴のような、どこで切っても同じ歯科医療を要求してくるのです。これでは自分の行っている歯科医療に対して価値観を持つことはできないし自分の仕事に価値観を持っていない歯科医師が大半であれば尊敬など得られずにだれも歯科医師にはならないでしょう。ここが日米の歯科の違いです。

 

幸い、私は20年以上前にアメリカの専門医の先生に歯科医療の価値観について教えて戴きまして20年以上この問題について深く考えて来ました。価値観は自分で作るものですべて自分次第です。自分で努力すれば価値の高い歯科医療を提供できますが努力を怠れば価値のない歯科医療しか提供出来ません。

 

日本歯周病学会歯周病専門医 ICOI国際インプラント学会専門医

吉川英樹 拝