上顎洞の解剖

顔面には副鼻腔といわれる空洞があります。

図を参照ください。

多分、このような空洞が何らかの理由で必要なので神様がこのように作っているのでしょう。

例えば、交通事故などが起こった場合ダイレクトに脳に外傷が加わらないようにするためにもこの副鼻腔は必要なのでしょね。

 

副鼻腔とは鼻腔に交通している上顎洞、篩骨洞、前頭洞の3つの空洞を指します。

そして、この副鼻腔の炎症を副鼻腔炎といいます。

 

副鼻腔炎は副鼻腔に炎症が起きて膿が溜まることが原因で鼻づまりや嫌なニオイがしたりといった不快な症状が起こる病気です。

 

症状としては黄色い鼻水、鼻づまりだけでなく、のどに痰がからむ、ほっぺが痛い、頭が重い、いびきなどがあります。

昔は黄色い鼻水があたかも膿のようであったため、蓄膿症といわれていました。しかし、実際には膿ではないので、最近は蓄膿症とは言わずの慢性副鼻腔炎といわれています。

 

上顎洞に限局したものを副鼻腔炎の一つの病名として上顎洞炎と呼びます。

 

 

歯が原因で起こる上顎洞炎を歯性上顎洞炎と言います。

 

歯が原因で起こる歯性上顎洞炎

こちらの患者様は2年前に耳鼻科で副鼻腔炎と診断されたそうです。その時点で歯が痛んだこともあり、これは歯が原因ではないかと推測したそうです。賢い方ですね。

 

そして、日時が経過して最近ネットで調べると歯が原因である副鼻腔炎があることを知り当医院を受診致しました。

 

 

根尖病変と上顎洞炎の粘膜が肥厚してレントゲン上で連続していることで歯性上顎洞炎と診断することができます。

 

しかし、2次元のレントゲンではこのような診断が出来ません。

 

 

違う方向から観察するとやはり根の先が膿んでいます。

 

この根の先に膿を認める原因は歯の中の感染にあります。

 

マイクロスコープとCTを使用した根管治療で治癒する可能性は90%以上あるでしょう。

 

耳鼻科医は歯科のことをもっと知ってほしいし歯科も耳鼻科の勉強が必要です。

 

何事も間ということがあるのですね。この患者様は耳鼻科医から様子を見ましょうといわれたのですから。

 

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吉川 英樹 拝